この記事では
- なかなか復活しない米国高配当株式『SCHD』
についてのお話です。
それではやっていきましょう!
下落で不安?米国高配当株式ETF『SCHD』
SCHDは2025年の始まりは27.26ドルでした。
しかし、トランプ大統領の相互関税の発表から24ドル〜25ドルを推移しています。
5%〜10%程度の下落です。
しかし、SCHDといえば米国の高配当株式へ投資ができるもので、どちらかというとディフェンシブな銘柄です。
不安になるほどではないにしても、買い始めてから上がっていない状況というのは不快感を伴うものだと思います。
そこでSCHDの現状について僕が考えていることをお話ししていきます。
ちなみに米国高配当株式ETF『SCHD』は日本では購入できないため、SBI証券や楽天証券で取り扱われている投資信託への投資で代用することができます。
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高配当株の買い時
高配当株式の買い時は基本的には下落時です。
株価が上がっている時は配当利回りも下がります。
当然、本来であれば『配当利回りが高ければ良いってものじゃない』って言う人もいます。
しかし、SCHDなどのETFにおいては配当利回りは高ければ高い方がいいです。
理由としては
- 分散投資されているのでリスクが低い(SCHDは約100銘柄に投資される)
- SCHDで投資される銘柄は大企業ばかり
- SCHDは持ってるだけで自動的に銘柄を入れ替えてくれる
まず、分散投資されていれば個別株のように倒産して投資していたお金が全てパーってことはありません。
そもそもSCHDは時価総額の大きな企業に投資しているので個別株だとしても倒産リスクは低いです。
また、投資信託やETFはプロに投資を任せる商品です。つまり勝手に銘柄を入れ替えたりして調整をしてくれるわけですから下落したところで放っておくだけでうまく調整してくれます。
下落して含み損を抱えている状態だと不安になったり不快感を覚えると思いますが、むしろ買い時だと言うことができます。
高配当株も結局成長していく
SCHDというETFは2011年の10月から設定されました。
これはリーマンショックの下落がある程度落ち着いてこれから米国株の上昇局面に入っていく頃です。
しかし、時期が良かっただけで『SCHDはすごい増配を続けてきた高配当ETFで、株価の成長もしてくれる優秀なETFだ。』ということに疑いを持つ人も少なくないかもしれません。
個人的には確かに時期は良かったという一面はあると思います。
ただ、仮に2011年以前にSCHDがあった場合、優秀なETFだと言われなかったのか?というとそんなことはなかったと思います。
というのも、100銘柄全てを調べるわけにはいきませんでしたが、組入割合が上位の銘柄を調べてみてもほとんど長期的には成長しているからです。
株価だけ見てそれほど成長していないように見えても配当込みの成績を見るとしっかりとリターンは残せています。
ちなみに組入上位銘柄はこんな感じです(2025/05/09)
- ベライゾンコミュニケーションズ
- コカコーラ
- アルトリアグループ
- コノコフィリップス
- ロッキードマーチン
- ホームデポ
- シスコシステムズ
- シェブロン
- アッヴィ
- アムジェン
まぁ定期的に調整されるのであまり深く知っておく必要もありません。
懸念点
正直なところちょっとした下落はあまり心配する必要はありません。
しかし、懸念すべき点がないかと言われるとそうではないと思います。
簡単に懸念点もお話ししておきます。
為替による減配
SCHDはコロナショックの中でも少しですが増配しました。(3〜4%程度の増配)
しかし、コロナショック以降米国はバイデン政権のバラマキ政策をきっかけにインフレが深刻化しました。
そのため、利上げなどの金融引き締めを行い、ドル高が進みました。
インフレが落ち着けば利下げが進められると思います。そうなるとドル安が進む可能性が高いです。
つまり、相対的に円が高くなります。円高ドル安ですね。
そこで配当金が減るパターンの一例です。
例えばSCHDが年間2ドルの配当を出して次の年10%増配するとします。
2ドル→増配して2.2ドル
しかし、円高ドル安が同時に進むとします。
1ドル140円→1ドル120円
この結果、配当金を円に直すと…
280円(1ドル140円)→264円(1ドル120円)
このように増配しているのに配当金が減ってしまうパターンがあります。
僕たちは日本円で生活しているので、日本円で計算しないといけないですからね。
こうした可能性は覚悟しておく必要があります。
米国の弱体化
米国の弱体化というよりも米国一強時代の終わりと言った方が正しいかもしれません。
とは言っても、極端に弱くなることはまだまだないと思いますし、崩壊となるとほぼあり得ないと思います。
しかし、新興国を中心に世界の米国離れの可能性は小さくなさそうです。
ドル以外に基軸通貨を作ろうとする動きも出ていますが、難しいと思います。(できたとしてもかなり時間がかかる)
仮に実際にそうなったとしたら米国株は終わるのか?というとそうはならないと思います。
ただ、今までのように順調に成長を遂げるかというとそれは難しいかもしれません。
しかし米国は優れた企業がたくさんあります。
そもそも基軸通貨を使っていない国々の株式は弱くなっているかと言われるとそんなことはありません。(日本はかなり停滞したけど…)
なので、懸念点として頭の隅っこに置いておけばいいかなと言うくらいで深く考える必要はないと思います。
まとめ
- 米国高配当株式ETF『SCHD』は問題なく買い続けて良し
- 高配当株は基本的には下落時は買い時
- SCHDは分散が効いているので個別株より安心して買い増せる
- SCHDは時価総額が大きな安定企業ばかりなので安心して買い増せる
- SCHDに含まれる銘柄は長期的に成長している銘柄が多い
- 懸念点としては為替による減配、米国の弱体化
2025年に入ってから米国株の時代は終わりということがたくさん言われています。
そのせいで不安になっている人も多いかもしれません。
僕は終わりと言うほど極端な停滞はないと思います。
どちらかと言うと他の国々がしっかり成長していくフェーズなのかなとは思いますが…
ですが、やはり米国株はテクノロジー株を中心にいまだに少し割高感があることは否めません。(SCHDはまだマシ)
そうなるといつかは平均回帰するだろうとは思います。
とは言っても、年々割高感を示す指標であるPERが高い傾向のあるテクノロジー銘柄が市場を牽引してきていることで、S&P500自体のPERも高くなる傾向もあるのではないかなとも思います。
つまり、年々米国市場のPERの平均値が高くなっているので思っているよりも大きな下落はない可能性もあります。
ですが、僕は割高感のある米国以外にも資金を振り分けるようにしています。(それについてはまた記事にしようかなと思います。)
長期的には米国株自体に過度に悲観的になる必要はないと思いますが、自分の安心できる投資のやり方でしっかりと市場から脱落しないようにしましょう。
というわけで、今と将来の生活を少しでも豊かにするために一緒にコツコツと資産形成を頑張っていきましょう!
ではまた!