この記事では
- 今年報われている投資について
解説していきたいと思います!
それではやっていきましょう!
今年報われている株式投資
米国株を上回るパフォーマンス
今年は始まってまだそれほど時間が経っていませんが、米国を上回るパフォーマンスをしている国がたくさんあります。
過去のリターンを見ると米国株はかなり順調に右肩上がりです。
しかし、当然常に勝っているというわけではありません。
例えば、1980年台は日本株、2000年台は新興国株がブームでした。
未来のことはわかりませんが、米国株のみを信仰するのはもったいないかもしれませんね。
米国 VS いろんな国々+α
では米国と他の国々の今年に入ってからのパフォーマンスを比べてみましょう。
※2025年1月6日〜2月21日のパフォーマンスです。
![]()
TradingViewにて作成
上から順に
- ゴールド
- ドイツ
- フランス
- 中国
- イギリス
- 米国
- 日本
- インド
です。ゴールドは国ではないですが、今注目されているので一応比較してみました。
さて、去年調子の良かった国が失速している印象ですね。
逆に去年弱かった国は調子を上げています。
国によって一体何が違うのでしょうか?
世界の政策金利の動向
日本
まず、日本は利上げを進めるという世界とは逆のことをしていますね。
利上げは金融引き締めです。
株式市場にとっては辛いのは当然ですね。
なにより景気が良いというわけでもないのに金利を上げているので中小企業はかなり苦しくなると思います。
また、中立金利は1%〜2.5%程度という試算。
もし2.5%まで上げるとなると厳しい相場になりそうです。
政治も国民の財布を締めているので日本の景気回復はかなり先になりそうな気がしてなりません。
中立金利の解説↓
米国
米国は金利が高止まりしているにもかかわらず経済指標はかなり強く、インフレがなかなか抑えられずにいます。
『利下げをしたいが、思うように勧められない』という状況が株式市場の上昇にもブレーキをかけている印象です。
そもそも米国株は割高感が強いので上昇が緩やかになるのも仕方がないのかもしれません。
しっかりと米国企業が利益を上げていけば株価も上昇していくはずですね。
インド
2025年2月前半に政策金利を0.25ポイント下げました。
そして6.25%となりました。
金利を下げたのは約5年ぶり。
2022年に利上げを始めて高い水準で金利が維持されていました。
とは言ってもこのインドの指数は金融業が比較的高い割合を占めているので、そこまで悪い影響が目立たなかったかもしれません。
一方で金利を下げると金融業が弱くなることは考えられますね。
ただ、米国と同じでうまく利下げを進められるかどうかが重要なポイントです。
もしかするとここからインド株は上昇局面に入る可能性もありますが、少し割高感があるので上げ代はそこまで大きくないかもしれません。
イギリス
イギリスも米国と同じく金利はまだ高いです。
インドと同様に2月前半に利下げを行いました。
インフレの状況としては米国とよく似ている状態でしたが、欧州の景気は米国ほど強くありませんでした。
その結果、去年株価は全然上がらなかったわけです。
つまり割高感はなかったという点が今年に入ってから米国株を上回るパフォーマンスになった一つの要因だったと思います。
ちなみに、イギリスの通貨はユーロではなくポンドなので中央銀行はECBではなくイングランド銀行です。
中国
中国で政策金利として考えられるのは『最優遇貸出金利1年物』と呼ばれます。
長期的に下がり続けており、今では3.1%まで下がっています。
中国は日本のバブルが弾けたときと同じような状況でした。
日本や米国の株価が上がり続けている間、株価が下がっていました。
今は下げ止まっている感があります。
金融緩和も大きく進めていたので金利の引き下げだけが要因とは言えませんが、比較的マシな状況になったように感じます。
それだけでも市場にとって好感されるくらい酷い状態だったとも言えます。
逆に言うと中国市場はチャンスだったとも言えますが、やはり暴落している国に投資を積極的に行う人は少なかったと思います。
欧州(ユーロ圏)
ECBはコロナ禍以降のインフレ局面で米国と比べても早い段階で利上げを進めました。
そして、金利の引き上げによって景気に影響が出てきたこともあり、米国よりも早い段階で利下げを進めてきました。
ピークは4.5%まで政策金利を引き上げ、現在では2.9%まで利下げを進めています。
インフレに関しても1年程度3%を切っている状態が続いており、かなり落ち着いてきている印象です。
今回例に出しているドイツに関しては利下げを進め出してから上昇を続けていましたが、フランスは今年に入って急激に上がってきています。
正直なところ景気が回復していると言うわけではないですが、利下げが進み株式市場にとってはポジティブな印象を受けていると捉えられると思います。
ゴールド
ゴールドは株式と逆相関になる資産として有名ですね。
理屈としては景気が悪くなると株式が売られる。
同時に景気が悪くなると安全資産であるゴールドが買われる。
という状況になるからです。
今は景気が悪くなっているから購入しているという国の人もいれば、米国のように景気が悪くなりそうな気がするから金を買い集めているという人もいます。
また、ロシアへの米国からの制裁を見た新興国市場でのドル離れによる金需要の高まりも影響があります。
また、ゴールドはドル価格とも逆走感の関係があります。
米国が今後利下げを進めてドル安が進むことでゴールドが上昇することを期待している人も少なくないと思います。
ゴールドはブームとも言えるかもしれませんね。
S&P500をオルカンが超える
今までS&P500の方がオルカンよりもリターンが高い!
と考えてS&P500に投資をしている人も少なくなかったと思います。
しかし、米国が伸び悩む今のような状態が続くのであれば全世界株式の方がリターンが高くなるのは想像に難くないと思います。
とりあえず、今の米国株(VOO)と全世界株式(VT)のリターンを見てみましょう
TradingViewにて作成
- 紫:全世界株式
- 赤:S&P500
全世界株式の半分以上は米国株で構成されているため、ほとんど値動きの方向としては同じになっています。
しかし、上で紹介したように米国以外の国々の方が今年はリターンが高い場合が多いです。
そのため、下がり方が比較的緩やかになっているのがわかります。
米国株(S&P500)は確かに世界で活躍する企業が多いのでリスク分散としては十分だと個人的には思っています。
しかし、当然米国の企業だけで構成されているので米国の政策や米国の景気から受ける影響はかなり大きいです。
つまり米国に依存しているという状況はどうしても覆せないです。
一方で、全世界株式はそもそも米国の企業だけに絞っていません。
よって米国企業が弱くなったときは時価総額加重平均でしっかりと米国株の構成割合が下がります。
結果として弱った市場からある程度逃げることができます。
分散として優秀なのは全世界株式ですね。
現状では米国株のリターンを全世界株式が上回る可能性は大いにありそうです。
まとめ
- 年初来の米国株のパフォーマンスが他国と比べて弱い
- 欧州株の年初来リターンが優秀
- 中国が底打ち感がある
- 今はゴールドがブームのような値動きをしている
- S&P500(VOO)より全世界株式(VT)の年初来リターンが高い
というわけで世界の金利と株式市場の様子を紹介しました。
最近では米国株や日本株はもちろん、ゴールドやインド株の投資信託も人気です。
また、SBI高配当株ファンドで欧州株のファンドもありますね。
いろんなものに魅力を感じると思います。
なので、世界各国どういう状態かを知ってもらおうと思いました。
とは言っても今年が始まってまだまだ2、3ヶ月じゃん。
と思いますよね。
その通りです笑
まだまだ今年は始まったばかりです。
なのであまり今の状況が今年の運命を左右するとは思わないでください。
例えば米国株は2月は下がりやすいアノマリーがありますし、中国株が本当に底打ちしているのかも疑わしいです。
また、今回は為替は考慮していません。
日本と海外では政策金利の方向が異なることで日本は円高になりやすいです。
そうなると海外の資産は為替の分上がりづらく下がりやすくなる可能性が高いです。
ですが、為替が一定方向に動き続ける可能性は非常に低いので長期投資において為替はあまり考える必要がありません。
と、いろいろお話をしてきましたが、今回言いたいことは
- 全世界株式はS&P500に劣るものではない
- 米国株以外にも面白い投資先はある
- ゴールドが強い=市場の経済への懸念が強い
ということです。
逆に米国株が弱いからといってS&P500への投資を止める必要もありません。
オルカンへの投資も過去のリターンがS&P500より低いからといって今後もそうなるとは限らないので続けていくことをオススメします。
大切なのは投資を続けることで、市場から脱落しないことです。
僕はS&P500への投資を続けますが、この先暴落してもひたすら積み立て続けていくつもりです。
というわけで、今と将来の生活を少しでも豊かにするために一緒にコツコツと資産形成をしていきましょう!
ではまた!