前回は財務・業績やPERやPBRといった株価指標をもとに個別株を選ぶ方法を紹介しました!
今回は財務・業績以外の面から個別株を選ぶ方法を見ていきましょう!
【個別株の選び方】定性分析
定性分析と定量分析
前回行った決算書などの数字を読み解いて分析する方法を『定量分析』と言います。
詳しくは↑
今回は『定性分析』についてです。
定性分析とは、市場環境やセクターの動向、企業のビジネスモデルや今まで歴史、経営者の資質などの分析です。
これらは数字で測れるものではありません。
なので、人によって大きく異なる結論になることもしばしば。
例えば、IT系の〇〇株式会社について。
『これからITが世界を引っ張っていく!〇〇株式会社はその最先端を走っていくだろう!』と考える人もいれば、
『これからは金利などの影響を受けやすいIT業界は下火になる。〇〇株式会社の株価はどんどん下がっていくだろう!』
という考え方をする人もいます。
- 定量分析は企業の過去の成績から分析する方法
- 定性分析は企業の性質から未来がどうなるかを予想する分析方法
実際未来は誰にもわかりません。
つまり定性分析は特に正解のない分析と言えます。
定量分析は過去の成績から未来を予測する
定性分析は企業の今の性質や今後の企業の方針から未来を予測する
これらの分析方法はどちらか一方ではなく、両方していくことが大切です。
【個別株の選び方】定性分析の例
消費者独占企業|利益を出し続けられる
これは本当に独占禁止法にひっかる様なことをしている企業のことではありません笑
- 消費者が他と比べたときに自然とその企業のものを選んでしまう様な商品。
- 消費者がそれがないと不自然とすら感じてしまう商品。
- 販売側がその会社の製品を商品棚に置かないと経営が難しくなるような商品。
- 誰もが知っている商品。
例えばこのような商品を扱っている企業は強いです。
なぜなら、それは売れ続けるから。
特に消耗品や生活必需品の場合はさらに安定して売れます。
では例を挙げてみましょう。
- コカ・コーラ(コーラ)
- P&G(レノアやアリエール)
- マクドナルド(定番のハンバーガーやサイドメニュー)
- ディズニー(ミッキーなどのキャラクター)
- 任天堂(マリオやカービィなどのキャラクター)
- 日清食品(カップヌードル)
このように私たちの日常でも常に目に入ってくるものを取り扱っている企業はたくさんあります。
そしてこれらは自然と消費者に選ばれ続けます。
それが景気後退時であっても。
インフレで値上がりしたとしても。
不況に突入しても。
好景気であったとしてもです。
また、常に完成されている独占を崩すことは難しいです。
新たに参入してくる企業は瞬く間にやられてしまうでしょう。
消費者独占に成功している企業は
『人口が増えれば増えるほど消費者も増えて、今後も成長する』と考えることもできます。
定性分析①
消費者独占企業であるかどうか?
スイッチングコストが高い
スイッチングコストとは『何かを切り替えるときにかかる精神的なハードル』です。
要は切り替えがめんどくさいものです。
例えば
- 会計ソフトなどのソフトウェア
- 携帯などの通信契約
- 保険契約
- 賃貸契約
- クレジットカード
金銭的に大きく得をする場合やその他大きなメリットがある場合、この精神的なハードルを軽く超えて切り替える可能性はあります。
そこまでメリットがない場合、多少安くなったとしてもめんどくさくて人は契約などを切り替えないことも多いです。
つまり、こうしたスイッチングコストが高いビジネスモデルは一度顧客を得ることができれば、安定的な収益に繋がりやすいです。
定性分析②
スイッチングコストは高いかどうか?
事業を続けるために必要不可欠なサービス
企業が事業を続けるために必要なサービスとは一体何か?
例えば、広告・宣伝。
ある企業が広告・宣伝を使ってバンバン商品を売っていたとします。
すると同業他社は同じように広告・宣伝を打たないと負けてしまいます。
つまり、広告・宣伝を行う企業は利用され続けるわけですから安定した収入を得ることができます。
広告宣伝を扱う業界といえば、
- テレビ
- 新聞
- ネット
- 雑誌
などですね。
少し前まではテレビが主流でしたが、今ではYouTubeなどネットの広告事業が強い印象です。
定性分析③
事業を続けるために必要不可欠なサービスかどうか?
今後の世界の展望に合うかどうか?
世界はどのような方向に動いているか?
例えば、自動車業界。
世界的に2035年頃までにガソリン車の新車販売をやめ、電気自動車に切り替える傾向にあります。
自動車業界は切り替えにコストがかかるでしょう。
しかし、電気自動車で使用される部品などは需要が高まっていくと考えられます。
一方で、自動車の充電バッテリー、電気自動車の充電器を取り扱う企業は恩恵を受けるとも考えられます。
定性分析④
世界的な動きに合っているかどうか?
まとめ
・業績などの数字による分析を定量分析という
・企業の性質やビジネスモデルによる分析を定性分析という
・消費者独占企業は継続した収入を得やすい
・世界の動向にあった業界は成長が考えられる
・定量分析と定性分析は両方行うことが好ましい
定性分析では特にビジネスモデル的に、業界的に今後の成長性があるかなどを僕は見ます。
また、最も重要視するのが参入障壁です。
消費者独占企業なんかは特に参入障壁がある企業の代表ですね。
大きな会社でブランド力もあるとなると新たに参入するにはかなり資金的にも精神的にもハードルが高くなります。
また、非常に専門性が高い企業も参入障壁がある場合があります。
誰も寄せ付けない力は参入障壁となり、安定した収益を稼ぎ続けることができます。
今回紹介したのはごく一部の例です。
株式投資はありとあらゆる要因が株価を動かします。
その中でも価値のある企業に投資をすることができたなら、特別な事象がない限りそれを持ち続けるようにしたいところです。
バフェットが持つコカ・コーラのように。
というわけで、今と将来の生活を少しでも豊かにするために資産形成をコツコツ頑張っていきましょう!
ではまた!