この記事では
- 米国に景気後退が来ないという予想があること
- 一方で景気後退の可能性は消えてはいないこと
について解説します。
それではやっていきましょう!
米国は景気後退しない??
バンク・オブ・アメリカの予想
2023年8月2日のニュースでウォール街の大手銀行として初めて米国の数ヶ月以内の景気後退予測を公式に撤回しました。
理由は景気後退予測を訂正せざるを得ないほど、雇用統計などの経済指標が非常に底堅いということです。
また、個人消費が堅調だということも撤回の一つの理由だそうです。
これはバンク・オブ・アメリカのCEOであるブライアン・モイニハンのコメントです。
JPモルガンの予想
JPモルガンのチーフエコノミストであるマイケル・フェローリも2023年8月4日に米国が年内に景気後退に陥ることはないと予測しました。
景気後退は基本シナリオではないが、FRBの利上げ次第だともコメントしています。
この景気後退の予測の訂正はやはり米国経済の堅調な成長によるものです。
ただし、これらの大手銀行は景気後退の予想を訂正はしたものの、景気後退が来ないと予測しているわけではないので要注意です。
景気後退の可能性は無くなっていない
現在のイールドカーブ
まず、イールドカーブとは
↑この記事で解説しているの一度見てみてください。
そして、長短金利差が逆転しているのが今の状況(逆イールド)です。
逆イールドは上の記事でも解説している通り、景気後退のシグナルです。
もう一年以上逆イールドが発生してから経っていますが、未だに正常な金利になる様子はありません。
逆イールドは景気後退のシグナル
逆イールド発生から1年〜2年以内に景気後退が来ると言われています。
逆イールドが景気後退のシグナルになる理由
まず逆イールドというのは、短期金利が長期金利より高い状態です。
では短期金利とは何か?
長期金利とは何か?という話になります。
簡単に説明していきます。
まず、
①短期金利は銀行の資金調達金利
私たちの預金にかかる金利です。(日本ではお金を預けてもほとんど金利は貰えませんが…)
つまり銀行が支払う立場になる金利ですね。
②長期金利は銀行の資金貸出時の金利
銀行が企業などに資金を貸し出す際にかける金利です。
つまり銀行が受け取る立場になる金利ですね。
本来は
短期金利<長期金利で
銀行が得られる金利の方が多く銀行は稼ぐことができます。
しかし、逆イールド時は
短期金利>長期金利で
銀行はお金を貸しても利益を得られなくなります。
つまり、逆イールドでは銀行はお金を貸し渋りするようになるということです。
その結果、企業は資金を調達することが難しくなり、事業を行うことが難しくなります。
こうしたことが続くことで業績不振に陥る企業が増え、景気後退へ入っていくということです。
景気後退は逆イールドが解消されてから
このように逆イールドは景気後退のきっかけになるということですね。
しかし、過去のデータでは逆イールド時に景気後退が起きるのではなく、逆イールドが解消された後に景気後退しています。
そして今は逆イールドがかなり長く続いており、解消されていない状況です。
つまり、確かに年内など近いうちに景気後退が来るとは考えづらい状況ですが、逆イールドが解消されたときには景気後退は来ると考えておいた方がいいと思っています。
一方で、景気後退がいつ来るかは予想するのは難しいです。
なので、株式などに投資をする場合はタイミングを狙っていつまでも投資ができないという状況を避けるために、タイミングはあまり深く考えずにコツコツ投資をしておく方が良いと思っています。
まとめ
- 米国大手銀行がこぞって景気後退への予測を訂正
- 景気後退は年内など近いうちには来ないという予測に
- 現在は景気後退が来るシグナルは点滅したまま
- 逆イールドが景気後退のシグナル
- 逆イールド発生後、1年から2年以内に景気後退は来ると言われている
- やっぱり景気後退は来ると考えられる
今回は米国の景気後退についてお話ししました。
最近は米国の経済指標も強く、先に述べたようにウォール街の大手銀行も景気後退の予測を訂正していました。
そのせいで、景気後退は来ないのでは?
と感じる市場参加者も多く、今年は株価も強く推移していました。
しかし、景気後退のシグナルは点滅したままで、実際にそれが解消されたわけではありません。
今回の景気後退は緩やかと言われていますが、それでも20%前後株価が変動する可能性は高いと思います。
もちろんタイミングは読めないので景気後退が来るまで現金で待機するというのはお勧めしません。
やはり、余剰資金はできるだけ長い時間市場に置いておく方がいいと思います。
そうすることで、利益を得る機会を逃すことはなくなるし、複利の効果も得ることができます。
結局最後はいつも通りの結論ですみません笑
というわけで、今と将来の生活を少しでも豊かにするためにコツコツ資産形成頑張っていきましょう!
ではまた!