この記事では
- 最近の円安の原因
についてお話ししていきたいと思います。
それではやっていきましょう!
最近の円安の原因
金利差による円安ドル高
前提として、今の円安は日米金利差によるものが大きいです。
金利が高いところの通貨の価値は上がって、金利が低い国の通貨の価値は下がります。
僕たちもできることなら高金利でたくさんお金を増やせるところにお金を置いておきたいですよね。
なので、金利高いの国の通貨の需要が上がって価値が上がるのです。
そして、金利が低い国の通貨の需要が下がって価値が下がるのです。
金利が高い国の通貨の価値が上がり
金利が低い国の通貨の価値は下がる
米国経済が強い
米国は2022年からインフレを抑えるために金利を上げてきました。
最近は景気を抑えて利上げが終わると思われて一時的に円高ドル安になった時期もありました。
でも、米国経済は強くてインフレが収まる気配がありません。
つまり、
- 利上げの終わりが見えない
- 利下げの未来が見えない
という状況で、日米金利差はしばらく大きく開いているだろうと考え直されるようになりました。
その結果、再び円安になってきているわけですね。
では経済が強いとは実際にどのように強いのか?
雇用
米国経済はまだ雇用がとても強いです。
失業率もかなり低く、3.5%前後と歴史的に見ても低い水準です。
なおかつ、給料も上がり続けており、それがインフレを後押ししています。
ちなみに米国の景気後退は雇用のデータを参考に発表される傾向があるようです。
雇用は人手不足が続くほど仕事がある状態
給料を上げてでも人を雇いたい状態で景気が強いと考えられる
小売売上高
小売売上高も高く、サービス業はしっかり売り上げを上げている様子。
実際にISM非製造業景況指数も非常に良い数字を出しており、サービス業が好調であることが窺えます。
サービス業の売上も好調で景況感も良い
住宅着工件数
個人消費のうちかなり大きな金額を占める住宅。
その住宅の工事がどれだけ取り掛かられているか?という指標です。
2023年の頭にかなり下がってきており、インフレも沈静化か?なんて考えられていましたが、その考えとは真逆に最近はじわじわと増え始めています。
住宅の需要が下がっておらず景気が強いと考えられる
消費者物価指数(CPI)
この指数は単純にインフレ率です。
食品とエネルギーを除いた『コアCPI』。
これがかなりしぶとく、いまだに4%台後半で推移しています。(目標は2%)
これがしっかり下がり切るまで利下げに踏み切るのは難しいと考えられます。
ちなみにFRBが最も参考にしているのはCPIよりも『PCE(コア)デフレータ』という指標です。
しかし、実際に株価や金利に大きく影響するのはCPIです。
それが何故かというと、単純にPCEデフレータよりもCPIの方が発表される時期が早いからです。
そして、大抵の場合はそこまで大きく結果に差が出ないからです。
※PCEデフレータは、CPIをより詳しくしたデータだと思っておけばOK
米国債の格下げ
フィッチという米国の格付け会社によって格下げがされました。
時期は2023年8月の頭。
AAA→AA+に格下げ。
その結果、債券が売られて債券の金利が上昇。
これも債券利回りは為替にも大きく影響するので、金利が上がることでドルが高くなり、相対的に円は安くなっています。
格下げにより米国債は売られて金利が上昇→円安ドル高
FRBのタカ派発言
タカ派発言とは簡単にいうと金融引き締めまだまだするぞ!
という旨の発言です。
直近のFOMC議事要項発表のタイミングでも『インフレはまだまだ強い。金利をまだ引き上げる必要がある』という内容のタカ派発言によって円安ドル高が進みました。
146円台までいきましたね。
タカ派の発言も市場参加者が想定内の場合はそこまで為替は動かないことも多いです。
逆に想定外だった場合は大きく為替が動くことが多いです。
FRBの発言一つで為替は大きく動く可能性がある
まとめ
①縮まると思った金利差が縮まる気配がない。
その理由は米国経済が強くて利上げが終わることができず、利下げに踏み切れないから
米国経済の強さは、、、
- 雇用統計
- 小売売上高
- 住宅着工件数
などから窺える。
②フィッチによる米国債の格下げ
③FRBメンバーによるタカ派発言
今回は最近の円高の理由について解説しました!
経済指標が出るたびに、米国経済の強さを感じてなかなか利上げを止められない状況になってきています。
市場参加者も利下げがしばらくないと考えて、金利差は縮まらないと考えています。
ここで日銀が政策金利を引き上げたり、FRBが利上げの終了を宣言したりするとまた円高への流れができると考えられます。
もしくは、あまりに円安が進みすぎると為替介入も考えられますね。
個人的にはここまで円安になるとは思っていませんでした。
本当に為替は読めません。
というか為替は読もうとするべきではないのかもしれません。
基本的には為替も株価も気にせず淡々と買い増していくぐらいでいいと思っています。
それがインデックスであっても高配当投資であっても同じです。
というわけで、今と将来の生活を少しでも豊かにするためにコツコツと資産形成頑張っていきましょう!
ではまた!