この記事では
- iシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)
という新しく出た国内ETFについて解説していきたいと思います。
良かったら前回の高配当株ETFの記事も読んでみてくださいね。
というわけで連続増配株ETF!やっていきましょう!
iシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)
どんなETF?
『Morningstar 米国配当成長株式指数(税引後配当込み)』という指数に連動する投資成績を目指すETFです。
どんな銘柄に投資をしていくETFかというと
- 配当性向が75%以下であること
- 最低でも5年間連続で配当が成長していること
- コンセンサス予想では利益がプラスになっていること
こうした条件から銘柄が選ばれていくETFです。
設定されたのは2024年1月17日でまだ実績のあるETFではありません。
しかし、このETFも元となるETFがあります。
それがティッカーシンボル『DGRO』です。
この『iシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)』は『DGRO』に投資をしているだけの至ってシンプルなETFです。
『DGRO』は上記の条件で400銘柄以上に分散投資をします。
これだけ分散されれば安心ですね。
ですが、DGROは国内の証券会社では購入できるところがありません。
なので、DGROに投資ができるETFが東証に上場したというのは非常に画期的なことだと思います。
というわけで、ここからは『DGRO』と合わせて解説していきます。
今回設定された国内ETF
- 『iシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)』は『DGRO』に投資をするETF
- 『DGRO』は5年以上連続増配している400銘柄以上に分散投資をするETF
- 『DGRO』は国内の証券会社では購入できない
投資妙味があるETFかどうかがこの記事を読めば分かるので、ぜひ最後まで読んでください。
手数料について
手数料はETFなど投資信託においては非常に重要です。
確実にリターンを蝕む存在ですからね。
『DGRO』はほとんどの人が投資できないと思いますが、一応『iシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)』の元となるETFなので比較していきたいと思います。
DGRO
では最初に元となるETF『DGRO』のコストです。
DGRO
- 経費率:年0.08%
- 為替スプレッド:証券会社による
- 二重課税:外国税額控除で取り返せる(配当控除はできない)
為替スプレッドや二重課税に関しては仮に国内の証券会社で投資ができた場合を想定しています。
海外の金融機関を利用した場合は、国内のように特定口座を利用できません。
確定申告が必要になるので注意して下さい。
iシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)
『iシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)』にかかるコストは、、、
iシェアーズ 米国連続増配株ETF(2014)
- 信託報酬:年0.121%程度
- ライセンス料等:上限年0.0286%
- 税金:配当控除は不可能(内部で外国税額控除はされる)
外国税による二重課税を調整してくれるのは大きなメリットですね。
手数料も高配当株ETFの中ではそこまで高くはありませんね。
『DGRO』が購入できない以上、良さそうに見えますね。
では、次は分配金について見てみましょう。
分配金について
今回は元となるETF『DGRO』の分配金履歴を振り返ってみましょう。
『DGRO』は2014年に設定されたETFです。
2014年 | 0.257733ドル |
---|---|
2015年 | 0.647292ドル |
2016年 | 0.656593ドル |
2017年 | 0.705469ドル |
2018年 | 0.810368ドル |
2019年 | 0.930618ドル |
2020年 | 1.028737ドル |
2021年 | 1.071762ドル |
2022年 | 1.167939ドル |
2023年 | 1.315948ドル |
2014年の後半に設定されたETFということで2014年は運用期間が短い為、分配金も少なくなっています。
コロナショックなどもあったにも関わらず、『DGRO』は毎年確実に増配していますね。
連続増配銘柄への投資なので多くの投資家はそれを期待していると思います。
では、どのくらい成長したのかを見てみましょう。
2015年〜2023年の実績から年間平均増配率を計算すると、、
平均9.27%ずつ配当金が増えている計算になります。
9%ずつ伸びると8年で配当金が2倍になる計算です。
コロナショックで厳しい局面もあったにも関わらず、さすがは配当成長株式指数と言ったところですね!
分配金推移(DGRO)
- 2015年→2023年で分配金は2倍以上になった
- 2015年〜2023年の分配金の年平均成長率は9.27%
組入銘柄について
このETFは『配当金額加重』で構成銘柄のウェイトが決まります。
時価総額加重平均ではありませんが、時価総額が大きな銘柄が上位になりやすい点ではそこまで変わらないかもしれません。
ただし、一応1銘柄の構成比率の上限は3%ということなので極端な偏りはないと考えられます。
では組入銘柄TOP10です(2024/01/30時点)
- マイクロソフト
- ブロードコム
- JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
- エクソンモービル
- アッヴィ
- アップル
- ジョンソン・エンド・ジョンソン
- シェブロン
- プロクター&ギャンブル(P&G)
- ホームデポ
多くの人が聞いたことのある企業だと思います。
マイクロソフトやアップルなどが入っているところを見る限り、配当だけではなく成長も見込めるETFだと思われます。
では、『DGRO』が設定された2014年以降の成績を見てみましょう。
成績(価格)
成績を見るにあたって、せっかくなので他のETFやS&P500と比較してみたいと思います。
というわけで
- 超人気指数『S&P500種指数』
- 超人気高配当株ETF『VYM』
- 連続増配株ETF『DGRO』
この3種類で比較します。
↓が2014年以降を比較したチャートです。
(TradingViewで作成)
- 青色がS&P500
- 黄色が高配当株ETF『VYM』
- オレンジ色が連続増配ETF『DGRO』
です。
このチャートを見ると
S&P500>DGRO>VYMという結果になりました。
一方で配当利回りに関しては
VYM>DGRO>S&P500という順になります。
ただ、このチャートを含め、配当を再投資した場合などを考慮したとしても『VYM』は少し劣ります。
でも高配当好きならVYMは魅力的だと思いますし、とても良いETFなので僕は好きです笑
iシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)は投資妙味はある?
2014はアリ!
なぜ僕が2014は良いと言えるかの理由を紹介します。
理由1:チャートが優秀
このチャートはS&P500には負けています。
しかし、よく見るとコロナショックでの大きな下落以前はS&P500よりも少し上で推移していることが分かります。
これはどういうことかと言うと、コロナショックによって米国はやりすぎとも言える金融緩和を行いました。
それが情報技術セクターを多く含むS&P500の価格を押し上げることになりました。
そして、その後AIブームが来て順調にS&P500は成長しています。
しかし、これは裏を返すと情報技術セクターが大きく下落した時、S&P500は大きく下がり、回復するまで時間がかかる可能性があるということを意味します。
要は景気後退時はキツイかもしれないということです。
一方で『DGRO』はコロナショック時にも増配していました。
大規模な金融緩和前はS&P500に勝っていたということもあり、ある程度の金融引き締めを維持するなら、また『DGRO』が勝つことも大いに考えられます。
理由2:増配が魅力的
上でも書いたように設定来の年間平均増配率は約9%です。
そして9%は8年で配当金が2倍になる増配率です。
つまり、
8年 | 2倍 |
16年 | 4倍 |
24年 | 8倍 |
32年 | 16倍 |
40年 | 32倍 |
ゆっくりでも積み上げていけば将来的には大きな配当収入が得られる可能性が高そうなETFだけに期待が高まります。
将来的には新たに入金せずとも勝手に配当収入が増えていくと考えれば気楽に投資を続けることができるのではないでしょうか?
配当好きには魅力的な銘柄だと思います。
理想はマーケット全体が大きく値下がりしたタイミングで購入できると効率的ですね!
理由3:配当再投資を考慮すると、、、
上で紹介したチャートは配当の再投資を考慮していませんでした。
ということで再投資を考慮してみます。
S&P500では再投資を設定できなかったので、今回はS&P500に連動するETF『SPY』を使って比較していきます。
(TradingViewで作成)
結局、成績の順番は変わりませんね…
ですが、
配当再投資をしない時
- S&P500とDGROのリターンの差は32%
配当再投資をした時
- S&P500とDGROのリターンの差は23%
このように差が縮まりました。
これはまだ8年程の運用でこのような結果になっています。
つまり、さらに長く、超長期で投資をする場合は『DGRO』はS&P500を上回る可能性があります。
まとめ
- iシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)は『DGRO』という海外ETFに投資をしてくれる国内ETF
- iシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)は外国課税控除を行う必要が無い
- 分配金は8年間で2倍になった(増配率9%以上)
- 不景気(コロナショック時)にも増配していた
- 値上がり益も期待できるETF
- 元となるETF『DGRO』は国内の証券会社では購入できない(2024/01時点)
今回はiシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)について解説しました。
非常に優秀なETFではありますが、実際にはS&P500への投資の方が効率がいいと思います。
というのも、S&P500連動の商品の方が手数料が安かったり、投資信託であれば配当金の自動再投資で税金の支払いの先延ばしができるからです。
とはいえ、やはり配当金が欲しいという人は少なくないと思います。
なのでiシェアーズ 米国連続増配株 ETF(2014)はパフォーマンスを最大化しなくてもいいから
- 配当金が欲しい(インカムゲイン)
- 値上がり益が欲しい(キャピタルゲイン)
という両取りしたいという人にオススメのETFです。
パフォーマンスを最大化しないと投資として間違っているというSNSの発信者は沢山いますが、その意見の方が間違っていると僕は思います。
投資は続けることが非常に大切です。
長く続けるにはやっぱり楽しむか精神的に楽な投資をすることが重要だと思います。
それに他人に自分の投資方針をとやかく言われる筋合いはないですよね。
他人の意見に振り回されてはいけないですし、自信を持って自分の投資方針を貫けばいいと思います。
生活に負荷がかかるような投資方針だけはおすすめしませんが…笑
というわけで、今と将来の生活を少しでも豊かにする為にコツコツと資産形成を頑張っていきましょう!
ではまた!