この記事では
- NTT法の改正はNTTの株価にとってマイナス?
ということについて解説していきたいと思います。
それではやっていきましょう!
NTTの株価の下落について
減益予想
株価が下がる原因として最も大きいと思われるのは、今期の利益が下がるという会社予想を出しているからです。
減益は株主としては非常に嫌ですから売られるのも納得です。
この減益予想は固定電話事業の維持からくるものだと考えられます。
利用者が右肩下がりなのにも関わらず、NTTは過疎地域にまで通信網を張り巡らさなければならない義務を追っています。
そりゃあ業績の足を引っ張りますよね。
ちなみに、この全国に固定電話サービスを維持する義務はNTT法によるものです。
政府保有株が売られる?
現在はNTT株を292億株程度を国が保有しています。
全体の32%程度です。
NTT法についての議論でその株が売られるかもしれないと話題になりましたね。
もし売られるとなると大きく株価は下がりそうですね。
信用倍率
NTTの信用倍率は非常に高い水準で推移していました。
同じ通信会社で比較してみましょう。
- NTT:46.52倍
- KDDI:19.69倍
- ソフトバンク:10.01倍
(2024/06/11時点)
同じ通信会社なのにかなり高くなっていますね。
これは売り圧力として多少影響がありそうです。
しかし、最近ではかなり貸借倍率も落ち着いてきています。
一旦売り圧力が小さくなってきたと考えることができますね。
- NTT:18.75倍
- KDDI:19.81倍
- ソフトバンク:10.06倍
(2024/06/18時点)
注意としては1週間でこれだけ落ち着いたということは、再び貸借倍率は急激に高まる可能性もあるということです。
大きく動いているタイミングでは少し様子を見ながらの取引でもいいと思います。
信用倍率が高いことで売り圧力になる理由は↓
このように確かに売り圧力となる要素は少なくないかもしれません。
でもそこまで悲観する必要はないでしょう。
NTT法の改正はポジティブ材料!?
政府保有株の売却
全体の株式の30%以上。
非常に大きな割合ですね。
しかし、一回で売ると影響も大きいですし、受け皿がないので短期間での売却は考えにくいです。
仮に20年に分けて売却するのであれば、NTTの自社株買いで対応できそうなのでそこまで心配ないのではないか思います。
一方で、株価は需給で決まりますので、ある程度一気に売却されれば一時的に株価は下げるかもしれません。
しかし、株取引自体はNTTの利益には関係ありません。
利益が向上できるのであれば株価は正常な価格へ戻っていくことが考えられます。
つまり、NTT法の改正による政府保有株の売却は長期的に見るとそこまで大きく影響することはないと考えています。
ちなみに個人的には政府内にも売りたい人と売りたくない人がいると思っています。
たとえば、
『1500億円くらい毎年配当貰えるからこのまま持っておけばいいじゃん』とか
『早く財源が欲しいから売ってしまおう』とか。
政府にはどっちの勢力もあると考えると、全て売る、一気に売る、ということは考えにくいですね。
ユニバーサルサービスの見直し
NTT法改正によって利益の足を引っ張っている固定電話サービスの提供の義務を撤廃しよう!
という動きです。
つまり今回減益予想している事業を見直すことができるとということです。
これは株主にとってはプラスになりそうな要素です。
しかも今回の減益予想はNTT法改正の議論についてNTTにとって有利になる可能性もありますね!
そして、実際に足を引っ張っている事業についての状況が変化すれば利益伸びることが考えられます。
つまりそれは株価が上がることを意味します。
研究開発成果の開示義務の撤廃
個人的にはこの改正が本命です。
今までNTTは研究開発成果を他社に開示することを義務付けられていました。
しかし、NTT法の改正でこれを撤廃しました。
これまでこの制度のせいで他社がNTTと共同研究ができないという状況がありました。
この制度が撤廃されるとそのような事もなくなります。
これは以前紹介した『IWON構想』の足枷になる義務だったので、この研究開発成果の開示義務の撤廃は株主にとっても日本にとっても非常に良い内容だと思います。
日本の技術としてIWONを進めていってほしいと個人的にも応援しています。
IOWN構想の簡単な解説は↓
このようにNTT法の見直しはヤバい!みたいな報道されていますが、悪いことばっかりではありません。
とはいえ、確かに問題がないわけではありません。
- NTTが自由になりすぎて暴走するんじゃないの?
- ケーブルテレビ会社がつぶれるかも
- 過疎地に住んでる人は固定電話を利用できなくなるのか?
とか。
そのあたりはNTT法をどう見直していくかはまだ議論が必要だと思います。
まとめ
NTTの下落について
- 決算での今期減益予想
- 政府保有株の売却の可能性
- 高い信用倍率
NTT法改正はポジティブ材料?
- ユニバーサルサービスの見直し(減益予想事業の見直し)
- 研究開発成果の開示義務の撤廃(IWONを進めやすくなる)
というわけで、今回は株価の下落についてとNTT法改正による影響について簡単に解説していきました。
まだ議論が行われている話題なので、今回の話が全てというわけではありません。
ただ、個人的にIWON構想に関してはまだほとんど実用化もしておらず実感もできませんが、非常に期待できるものだという意見は以前から変わりません。
この技術が実現すれば世界に誇れるものになると信じています。
その為にNTT法の改正は必要だったと個人的には思っています。
なので、この話題をあまりネガティブに受け取らないでほしいです。
ただ、最近の下落で不安になっている方も少なくないと思いますが、超長期で持つべき銘柄だと思っていますので、短期的なリターンを求める場合は厳しいとは思います。
かなり長い目で見た投資をしましょう。
そういう意味では今の下落はチャンスだと捉えることができると思います。
下落し始めて手のひら返しをして『NTTの何がいいかわからない。』とか『NTTを高値掴みしてるやつはバカ。』とか言っている人もいるかもしれません。
ですが、そんな人たちは今まで声も上げずNTTの下落を予想できなかった人たちです。
NTTの下落を予想して当てていたら今頃バズってるはずです笑
なので気にしないようにしましょう!
というわけで、今と将来の生活を少しでも豊かにする為に一緒にコツコツと資産形成を頑張っていきましょう!
ではまた!