この記事では
- 日本の株式市場の現状
- 米国の株式市場の現状
について簡単に確認していく内容です。
それではやっていきましょう!
株式投資で重要なもの
株式市場の様子を見る前にまず、めちゃくちゃ簡単に説明。
業績と金利
業績
まず一つ目は業績。
株価と業績が密接な関係なのは想像がつきやすいですね。
株価は利益と、投資家がどれだけ期待しているか?
ということで決まります。
PER(期待値)×EPS(1株利益)=株価
という計算式で表します。
株価の決まり方を見ても業績(利益)が非常に密接な関係なことがわかります。
金利
金利も株価に大きな影響を与えます。
たとえば、長期国債の金利が4%とします(今の米国はこれくらい)。
国債といえば国にお金を貸すという債券です。
国が破綻しない限り返ってくる非常に安心安全な債券です。
安全資産とも言われます。
そんな安全資産で毎年4%の利益を得られるわけです。
となると、『わざわざリスクを取って株式への投資をする必要がないな。』と考える人が出てきます。
つまり相対的に株式への期待が下がることになります。
これは上の業績で説明したPER(期待値)の低下につながります。
つまり、金利の上昇は株価の下落、金利の下落は株価の上昇につながります。
こんな感じで業績と金利は株式市場に直接的に影響を与えるというわけです。
では最近の日米の景気動向などを見ていきましょう。
日米の景気動向
実質GDP
日本は第一四半期GDP
米国は2023年第四四半期
- 米国(前期比年率):+1.6%
- 日本(前期比年率):-2.0%
日本は最近円安の恩恵で稼いでいる企業は多いですが、国民は値上げについていけていない印象があります。
それに比べて米国は大きくインフレしている世の中でもまだ景気は強いですね。
とはいえ国際化社会ではGDPは一つの経済指標にすぎないという意見もあるので他にもいろいろ見てみましょう。
政策金利
- 米国:5.25%-5.5%
- 日本:0%-0.1%
米国は2022年から大幅な利上げで今では5%以上の政策金利を長らく維持しています。
そのせいで短期金利が長期金利よりも高いという逆イールドという状態が続いています。
一方で日本はマイナス金利を解除(利上げ)したことが話題になりました。
しかし、金利はほぼ0%です。
ここで大切なのは米国には利下げをする余地がある。ということに対して日本は利下げ余地がない状態ということです。
上でも説明した通り、金利が下がると株式の上昇を手助けします。
米国はインフレ退治のために高金利の維持は必要ですが、利下げという景気を刺激する手段を持っている状態ということになります。
雇用
- 米国:強い。でも…
- 日本:人手不足
米国は失業率は少しずつ増えているものの、雇用者数は増加している状況。
しかし、雇用統計にはダブルワークやパートタイムも反映されています。
レイオフによって正社員の数は減ってきているというのが現状です。
また、移民による雇用も増えています。
現バイデン政権は移民の受け入れに積極的で雇用者数は増えていると考えられます。
つまり、雇用統計の強さはダブルワークやパートタイム、移民による下支えがあると言えるでしょう。
さらに、懸念点として不法移民によるトラブルも増えていることが米国では社会問題になっています。
日本の雇用は長らく人手不足が続いています。
失業率が低いのは良いことですが、知っての通り人口減少による部分も多く、すぐに解決できる問題ではなさそうです。
製造業とサービス業
製造業
- 米国:弱い
- 日本:あまり強くはない
サービス業
- 米国:強い
- 日本:強い
ざっくりとこんな感じの印象です。
※日銀短観やISM製造業・非製造業景気指数を参考にしています。
米国はサービス業が強く、これがインフレを根強くさせている一つの要因とも言えます。
日本は円安効果でインバウンドや輸出企業である程度強い結果を出すことができています。
株式市場としてはどういう反応をする?
米国株
米国は利上げやQTなど金融引き締めをされている中でも強い経済を保っています。
そして、インフレが収まれば利下げが進められるという期待も込めて株価は上昇しています。
しかも、去年とは異なり、景気後退に入らずにインフレを退治できるのではないか?という期待感が市場には広がっているのが現状です。
一方で弱い経済指標でも利下げが早まることが期待されて株価が上昇しています。
つまり、
- 理想は経済が強いままインフレが鈍化すること。
- 次点でインフレは鈍化しているが経済も弱まっていくこと。
- 最悪なのが経済が弱まっていくことを恐れて金融緩和を行い、インフレ再燃と景気後退が起きてしまうこと。(スタグフレーション)
①では調整があるものの上昇が続きそうです。
②では景気後退に入るかもしれませんが、それほど大きなダメージはなさそうです。
③は最悪でズルズルと株価は下落し再び景気を殺しながらインフレ退治をする必要があり、株価は下落していきそうです。
今後の経済指標もチェックしながら投資を続けていく必要がありそうです。
日本株
日本株は2023年の上昇で注目を集めました。
理由としては日本の株式市場は割安で放置されていた市場だったから。
円安による多くの企業の利益が向上したから。
などが挙げられます。
ですが、今は各国の利上げも終わり、円安が短期間で極端に進むことはなさそうです。
また、大型株は特に割安感もなくなってきましたね。
現状日本はGDPなどを見てもあまり経済指標は強いとは言えないです。
とはいえ、極端にインフレが進んでいることもありません。
日本の株式市場ではおそらく経済指標に対して素直に反応すると思われます。
しかし、あまり円安がいきすぎたり、インフレが進むと日銀による利上げなども視野に入ってくると思うので注意が必要です。
ただ、何事もなく日本企業が業績を伸ばす間は株価も堅調に伸びる可能性はまだあると思っています。
まとめ
米国経済
- 経済は強い(でも少し弱ってきた?)
- 政策金利は高金利を維持(いざという時に下げることができる)
米国株式市場
- インフレが落ち着いて利下げを期待
- 景気後退に入らないことを期待
- スタグフレーションへの恐怖も少しあり
日本経済
- 円安で業績は伸びている(ただ景気はあまり強くない)
- 政策金利はマイナス金利を解除しただけ(金利による金融緩和は難しい)
日本株式市場
- 景気回復を望んでいる
- 利上げの可能性もある
実際は今回紹介したもの以外にもいろんな指標に市場は反応します。
また、1日で複数の経済指標が発表されればボラティリティが大きくなることもあります。
なので、ある指標の結果を一つ見るだけではなかなかどう動くは予想しづらいですが、経済全体の動きを見ておくことは大切です。
なぜなら経済指標を確認しておくことで株式市場の動きに納得感を持つことができるからです。
こうした知識がインデックス投信などを長く持つための握力にもなります!
と僕は考えています。
というわけで、今と将来の生活を豊かにするために一緒にコツコツ資産形成頑張っていきましょう!
ではまた!