この記事では
- 新興国であるサウジアラビアの成長性
について解説していきたいと思います。
それではやっていきましょう!
サウジアラビアが国家戦略で急成長?
サウジアラビアといえば『オイルマネー』です。
石油によって資金力がある国ということは有名ですよね。
しかし、石油だけでは成長を続けることは難しいです。
国として世界の変化についていくにはさまざまな産業に投資をしていく必要があります。
なので、このオイルマネーを使ってサウジアラビアは大きく飛躍する準備をしているというわけです。
サウジアラビアの国家戦略『ビジョン2030』
サウジアラビアが今もっとも力を入れているのが、「Vision 2030」と呼ばれる国家プロジェクト。
これは、“石油に依存しない経済をつくる”という、非常に野心的な改革計画です。
サウジは若年層の人口増加と石油収入への過度な依存があります。国民の半数以上が30歳未満というサウジでは、今後の雇用創出が国家的課題となっています。
日本では考えられない状況で羨ましい限りです。
さらに、世界的な脱炭素・EV化の流れの中で、将来的に原油価格が不安定になるリスクも抱えています。
ただこれはすぐにそうなるということは考えにくいので焦る必要はないと思います。
しかし、国としては長期的に見て石油に代わるエネルギーが出てくれば出てくるほど不安が募るのは想像に難くないでしょう。
その危機感から始まったのが、経済の多角化と投資による『持続可能な国家』づくりということです。
世界最大級の政府系ファンド「PIF」
この国家戦略を実行する原動力となっているのが、「PIF(Public Investment Fund)」と呼ばれるサウジの政府系ファンドです。
運用資産は2024年時点で約8,000億ドル、2030年には2兆ドルを目指すと公言されています。
この数字、世界の年金ファンドGPIF(日本)に匹敵するほどのスケールです。
そしてPIFは、その資金を石油やインフラといった旧来の分野だけでなく、AI、EV、スポーツ、ゲーム、観光都市開発といったサウジにとっての未来分野に振り分けています。
オイルマネーはどこに向かっているのか?
では具体的に、サウジの投資先にはどんなものがあるのでしょうか?
特に注目すべきは以下の3分野です。
スポーツ&エンタメへの攻勢
- ゴルフ界を揺るがした「LIVゴルフ」の設立とPGAとの統合交渉
- サッカー界ではネイマール、ロナウドなどスター選手を次々獲得
- 任天堂やeスポーツ関連企業への株式出資
こうした動きは、サウジが「国のイメージ改善」や「観光誘致」を狙っていることの現れです。
AI・テック・EV分野
- Lucid Motors(EVスタートアップ)に巨額出資し、工場も誘致
- Uberへの初期投資で約30億ドル以上の利益
- 生成AI・半導体ベンチャーへの投資検討報道も増加中
世界の先進国の動きにもついて行こうという動きは素晴らしいです。
新興国がこのような動きをすると大きく成長する可能性を秘めているように思います。
超未来都市「NEOM」の開発
- 砂漠に作られる未来都市「NEOM」は、総工費5,000億ドル以上
- 全長170kmにわたる直線型スマートシティ「The Line」などを計画
- 自動運転・再エネ・AIなど未来技術の“ショーケース”として開発中
このような都市によって大きく雇用が創出されます。
そうなると加速度的に経済も成長することが考えられますね。
サウジの投資戦略が持つ意味
このような攻めの投資戦略は、単なる富の運用ではありません。
上でも少し触れましたが、
- 雇用創出:若年人口の増加に対応するための新産業育成
- 経済の自立化:石油に依存しない経済構造の確立
- 地政学的リーダーシップ:UAEやカタールといった近隣国との主導権争い
このような狙いがあります。
サウジが世界で生き残るための戦略です。
つまり、サウジとしてはなんとしてでも成功させなければならないと考えているということです。
個人投資家にできることは?
個人投資家はサウジには直接投資しづらいですよね。
なので恩恵を受ける方法として例を挙げておきます。
サウジが注目する企業の株を押さえる
- Lucid Motors(LCID):PIFが筆頭株主、EVブームの流れに乗れる
- 任天堂:PIFが5%以上の株式を保有しており、エンタメ分野での影響も
- ソフトバンクグループ:PIFがビジョンファンドの大口出資者
関連ETF
- AI・再エネ・観光インフラ関連ETF
- 建設、スマートシティ、水処理などの中堅日本企業
投資信託でサウジアラビアに投資
- EX-i グローバルサウス株式ファンド:全体の6%程度がサウジアラビア(2025年3月末時点)
- サウジに投資をするにはこうした方法があります。
- あくまでも参考程度に。
まとめ
- サウジアラビアにはオイルマネーという巨大な資金源がある
- PIFというサウジアラビアの政府系ファンドが今後大きく投資を増やす可能性が高い
- オイルマネーはスポーツやエンタメ・AIなどのテクノロジー分野・都市開発などに流れている
- サウジアラビアのこの動きには雇用創出や他国との競争力を高めることで持続可能な国家にしていくという狙いがある
- サウジアラビアに直接投資するのは難しいので関連企業や投資信託を通じて投資をするという方法を選ぶことがおすすめ
サウジアラビアの動きは、自分達の未来を守るための動きです。
彼らは、「未来をお金で買う」という強烈な戦略で世界と向き合っています。
その波紋は、世界中に広がる可能性もあります。
結局はお金が回っているところの株価が上がっていくものです。
米国もお金をばら撒いた時はかなり株価が上がって、市場に出回るお金が減るにつれて株価が下がっています。
こうしたことからもサウジアラビアの未来には期待ができるのではないでしょうか。
また、サウジが注目している分野にはお金が入ってくる可能性が高いです。
そうしたところに我々個人投資家も注目することで利益を得られる可能性もあると考えられますね。
もちろんこれは一つの見方というだけで利益を約束するものではありません。
リスクも高いでしょう。
なので投資は必ずリスク許容範囲内で行うようにしてください。
また、分散投資をしっかりしてリスク管理をするようにしてください。
というわけで今と将来の生活を少しでも豊かにするために一緒にコツコツと資産形成を頑張っていきましょう!
ではまた!