この記事では
- ドイツの財政出動と欧州株の成長
について解説していきます。
それではやっていきましょう!
ドイツの財政出動による追い風
2025年、長年緊縮財政をしてきたドイツが、ついに本格的な財政出動へと舵を切りました。
これは欧州全体にとって大きな転換点となり得ます。
市場にお金を流すことで株式市場にも明るい兆しをもたらします。
今回はこのドイツの政策転換が欧州経済、そして株式市場に与えるインパクトを解説します。
ですが市場は常に良いことだらけというわけにはいきません。
なので今後の懸念点についても少し触れていきますね。
ドイツの財政出動によって市場が潤う
ドイツ連邦議会は、インフラ整備や防衛強化のため総額1兆ユーロ規模の支出を決定しました。
ドイツは2025年3月に「債務ブレーキ」の緩和する改正案を可決しました。
この「債務ブレーキ」は憲法に定められていたことであり、これを緩和するというのは異例の措置とも言えます。
1兆ユーロとはかなり大きな財政出動になります。
その大金は一体どこに流れていくのでしょうか?
財政出動の行方
インフラ・エネルギー・防衛・イノベーション・教育などさまざまな分野に投資されます。
もう少し具体的に言うと、
インフラと言ってもいろいろあります。
- 鉄道や道路
- 通信網などのデジタルインフラ
- 地域開発
これらは必須ですね。道路の陥没事故などが目立ってきて日本も見習ってほしいところです。
エネルギーへの投資は主に
- 再生可能エネルギー
- 脱炭素
などグリーンエネルギーへの転換です。これは世界的な動きですね。
防衛への投資は想像通りだと思います。
- 装備品
- サイバー防衛
などですね。
これはどこの地域でも行っていますが、世界的に地政学的なリスクが高まっている中、こうした分野への投資を強化できる国は強いと思います。
イノベーションは
- 半導体産業
- 電気自動車
などが挙げられますが、イノベーションの中心地である米国のように上手くいくかは注目ですね。
教育への投資は
- 職業訓練
- 労働市場改革支援:AIやロボット導入に対応した再教育プログラム
- 移民統合プログラム:労働力不足対策としての教育・語学支援
などがあります。
移民などは賛否が生まれそうですが、人口減少する中の苦肉の策に見えなくはないです。
それよりも少子化対策をした方がいいとも思いますが…
欧州の株価の動き
欧州の代表的指数「ユーロ・ストックス50」やドイツの「DAX指数」は、財政出動の決定を受けて上昇傾向にあります。
- 経済後退リスクの後退:業績見通しの改善
- 政策金利の安定感:株式への資金シフト
- インフラ・防衛関連株への物色:セクター分散が効く展開
特に恩恵を受けているのは、建設、資材、防衛、産業機械などのセクターですね。
米国と異なり、まだ欧州株には「割安感」があるため、米国からの資金流出を受け入れる受け皿としても注目されているので今後も期待できそうです。
また、国内に流れる資金の量が増えると株式市場にも資金は流れて株価は上昇しやすくなります。
今後も財政出動を何年にも渡って続けるということは、株式市場にもしばらくお金が流れていくことも期待できます。
欧州への投資としてはこんなものもあります。
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楽観視できない懸念材料
市場には楽観的ではいられない材料も当然あります。
- 地政学リスク:ロシア・ウクライナ以外にも世界分断化による懸念が広がる
- インフレ&金融政策:ECBの政策によっては再び利上げもあり得る
- 債務リスク:南欧諸国(フランス・イタリアなど)の財政懸念
欧州はいろんな国の集まりです。
ドイツだけが調子が良くても他国はそうではないかもしれません。
フランスやイタリア、スペインなどでは債務が増えています。
いろんな要素が絡み合う中で、長期的に株価が持続的に上昇するには問題を解決しながら成長政策を講じる必要があります。
とはいえ、市場において何らかの不安がある状態の方が健全です。
完全に楽観である状況の方が異常と思っておいた方がいいと思います。
投資家としてどう向き合うべきか?
個人的には財政出動による株式市場へのプラス効果をメインシナリオに楽観しています。
しかし、必ずしもそのシナリオ通りに進むとは限りません。
上で紹介した懸念点にも注意を払っておくべきです。
- 財政出動は持続して進められるか?
- インフレは再燃しないか?
- 地政学的変動への備え
などなど。
財政出動が止められればメインシナリオ自体がもう終わりです。
また、インフレの再燃が進むと財政出動を止めざるを得ない状況になる可能性が高いです。さらに利上げが行われると株式市場には向かい風でしょうね。
地政学的なリスクはどこの国でも同じですね。
まとめ
- ドイツの憲法改正による財政出動が始まった
- 財政出動は1兆ユーロ(予定)
- インフラ・エネルギー・防衛・イノベーション・教育などに投資される
- 地政学リスクやインフレの再燃などまだ懸念すべき点はある
今回は欧州、主にドイツの財政出動について解説しました。
ドイツの歴史的な財政出動は、これまで低成長とされてきた欧州株に、期待を生みました。
かなり放置されていた欧州株は今注目を集めています。
とはいえ、まだまだ配当利回りが高かったり割安感が残る銘柄はたくさんあります。
とはいってもなかなか欧州株は個別株はわからないし、投資信託もどれがいいかわからないという人も多いと思います。
なにより全世界株式や先進国株式などは大抵の場合米国株が多く含まれています。
米国株ではなく欧州株にだけ投資をしたいという人はなかなかメジャーな投資信託では難しいかもしれません。
そこで、一つ個人的にいいと思うのは
- SBI欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)
これですね。
手数料も低いので高配当株好きの方は良いと思ってもらえると思います。
また、高配当株式ファンドと言いつつ、成長株にも少し投資をしてれる傾向があります。
配当と成長を両方取っていくというファンドだと思えばいいと思います
純資産額も151億円(2025/05時点)あるので心配はなさそうです。
ただ、100%欧州株というのは少し極端な気がするので適度に分散して投資をするようにしてください。
リスク管理はしっかり行いましょう!
というわけで今と将来の生活を少しでも豊かにするために一緒にコツコツと資産形成を頑張っていきましょう!
ではまた!