今回は金利(主に政策金利)についてです!わかりにくい話をできるだけわかりやすく伝えていきたいと思います!
この記事では
- 株価の下落の原因って何?
- 金利が変える理由は?
- 金利と株価って関係あるの?
といった疑問に答えていきます!
それではやっていきましょう!
政策金利とは?
政策金利とは中央銀行が一般の銀行に融資する際の金利のことです。
例えば日銀(日本銀行)が政策金利を1%にしたとします。(実際の数字とは異なります)
すると、一般の金融機関が日銀からお金を借りた場合に、借りたお金に1%を上乗せしたした額を返還しなければなりません。
銀行に利子をつけて貸し出す。その利子が政策金利です。金利をいくらにするかは日本銀行が決めることができる。ということです。
中央銀行が銀行にお金を貸し出す。これは中央銀行が『銀行の銀行』と言われる所以ですね。
ちなみに米国の中央銀行はFRB(連邦準備理事会)と言います
金利を操作すると?
中央銀行が金利を高くするように操作すると、銀行は中央銀行に金利を今まで以上に多く支払う必要が出てきます。
つまり、銀行はお金を借りるコストが上がるということになります。
そのコストを補うのは誰なのか?
それは銀行からお金を借りる『企業』や『個人(私達)』です。
銀行がお金を稼ぐために住宅ローンの金利が上がったり、キャッシングの金利が上がったり、企業も銀行からお金を借りるときの金利が上がったりします。
金利が上がると『お金を借りよう!』という意思が削がれてしまいますよね…
つまり、みんな消費をしなくなるわけです。
それは経済が循環しなくなるということです。
良いインフレ
経済が回りすぎると何が起きるのでしょうか?
インフレです!
インフレとは物価が上昇することです。それは裏を返せば通貨の価値が下がるということでもあります。
ではなぜ物価が上がるのでしょうか?
経済がうまく回ると社会は潤い、働く人々の給料が上がります。
給料が上がるとみんないろんなものを買ったり、遊んだり、旅行に行ったり、お金をたくさん使います。
みんながお金をたくさん使ってくれると、『もっと値上げをしてもみんなお金を使ってくれるな』と企業は考え、値上げをします。
値上げをしても物やサービスが売れるとさらに働く人々の給料が上がります。
これが繰り返されるとどんどんものは値上げされ、給料は上がり、さらに社会にお金が回ります。
このように物価が上がり(通貨の価値が下がる)状況をインフレーション(インフレ)と言います。
緩やかなインフレ(年に2%程度の物価上昇)なら適切だと言われますし、実際に世界各国が目標インフレ率を2%に設定しています。
基本的に上であげたような循環をするインフレは『良いインフレ』と言われます。
程よいインフレは歯止めをかける必要はありません。
もちろん経済が良く回るということで株価も上昇する傾向があります。
ただし、インフレしすぎると値上がりしすぎて、賃金の上昇が追いつきません。
『パンと水で2000円』なんてことも平気で起こってきます。
こうした、いきすぎた経済循環を止めるために政策金利を上げます。
そして、上で書いたように消費を抑制させます。
また、生活保護や年金生活をしているお年寄りなどは賃金が上昇するということは見込めませんから、物価の上昇による打撃を受け生活が苦しくなってしまいます。
悪いインフレ(スタグフレーション)
『悪いインフレ』は物価が上がり、通貨の価値が下がるというのは同じですが『良いインフレ』と状況が異なります。
悪いインフレは仕入れ値が上昇し、仕方なく値上げ
仕入れ値が上がったことによる値上げだから利益は特に増えず、当然働く人々の給料を上げることはできません。
値上げされているのに給料は増えず、みんな消費活動を控えるようになります。
その結果、企業は売上が下がり、働く人たちへの給料の支払いも厳しくなります。(尚更給料は上がりません。)
このように値上がりが最初に来るということで『良いインフレ』とは順番と状況が違うのです。
では、なぜ先に値上がりが来るのか?
例えば戦争です。資源国が戦争に巻き込まれると、その国の資源は世界に回らなくなり、その資源の値上がりが始まります。
原油などでも原油を多く持つ国があまり世界に回さない(回せない)状況であれば原油価格は高騰します。
原油なんかは特にほとんどの機械が原油を使って動いているので製造業など工場で機械を使っているところは全て打撃を受けます。
主にこのような外的要因で値上がりは始まります。
これは実際には経済は循環している状況ではありません。
この場合は政策金利を上げたところで特に効果を示しません。
デフレ
最後はデフレ(デフレーション)です。
これは物価が下がって、通貨の価値は相対的に上がることです。
インフレと逆の現象がデフレです。
経済がうまく回らず、賃金も上がらない。
すると企業は物やサービスを買ってもらうために値下げをする必要があります。
しかし、値下げをして利益が下がると賃金も下がってしまいます。
その結果、また人々は消費を控えてしまいます。
このような状況をデフレといいます。
こうした時は、消費を活性化させるために中央銀行は政策金利を引き下げます。
すると、企業は銀行からお金を借りやすくなります。支払う金利が下がるので実質コストカットにもつながります。
一般消費者も住宅ローンが下がったり、車のローンの金利が下がったりしてお金を使うようになります。
こうして、デフレ脱却のために政策金利を下げることがあります。
金利と株価
金利と株価には逆相関関係にあります。
金利を上げると?
金利を上げると、お金を借りづらくなります。
なので消費も落ち込み、お金が社会に回りづらくなります。
なので、企業も融資などを受けづらく経営しづらくなり、株価は下落することが多いです。
一方で、お金を貸す側の立場で考えてみます。
お金を貸す側は金利が高いところでお金を貸せば、利息でお金を増やしやすいです。
なので、金利が高いところ(国)にお金を置いておこうとします。
もちろんお金を置いておくにしても、日本でドルを置いておいても誰も借りてくれないので円で置いておく必要があります。
その結果、金利の高い国の通貨は人気が出て価値が上がります。
つまり金利が上がると通貨の価値も上がります。
まとめておくと、
金利を上げる→株価は下がる
金利を上げる→通貨の価値も上がる
金利を下げると?
金利が低くなるとお金を借りやすくなります。
ローンでお金を借りるときも抵抗が小さくなったりしますよね。
企業も融資を受けるとき、金利が低いと躊躇うことが少なくなります。
金利を下げることで、このように消費を促してあげます。
その結果、消費も増え、企業は成長し、株価は上昇する場合が多いです。
では、再び貸す側の立場で考えてみましょう。
お金を貸す側は金利が低いところでお金を貸せば、利息でお金を増やしにくいです。
なので、金利が低いところ(国)からお金を逃そうとします。
お金が増えないところにお金を置いておくくらいなら、他のところで運用した方がお得ですからね。
その結果、金利の低い国の通貨は人気が下がり価値も下がります。
つまり金利が下がると通貨の価値も下がります。
まとめておくと、
金利を下げる→株価は上がる
金利を下げる→通貨の価値も下がる
金利と株価の関係|まとめ
・中央銀行(日本銀行やFRB等)は金融政策の一環として政策金利を操作できる。
・政策金利とは中央銀行が一般の銀行にお金を貸すときの金利
・政策金利を上げるとお金を借りづらくなり、消費が落ち込み、経済も落ち込む
・過度なインフレを退治するために政策金利を上げるという手段が取られる
・政策金利を下げるとお金を借りやすくなり、消費が促進され、経済も成長しやすい
・デフレを退治するために政策金利を下げるという手段が取られる
・金利が高い国の通貨は人気が出て、通貨の価値が上がる
・金利が低い国の通貨は人気がなく、通貨の価値は下がる
・金利を上げると、通貨の価値は上がり、株価は下がる
・金利を下げると、通貨の価値は下がり、株価は上がる
今回は金利が与える影響についてお話ししました。
非常にややこしく分かりにくかったかもしれません。
とりあえず金利を上げるとどうなるか。金利を下げるとどうなるか。だけでも覚えておくと便利です!
金利は株価や通貨の価値など、私たちが投資をしていて直接ダメージがあるところに対して影響します。
しかし、金利についてある程度理解すると色々なことが見えてきます。
とはいっても投資はやはりやってみて覚えていくことの方が多いです。
少しでも早く投資を始めて、将来に備えてコツコツ頑張っていきましょう!
ではまた!