この記事では、
株価にとって悪いニュースが良いニュースになる理由について話していきます。
良いニュースと悪いニュース
今回はニュースの例で米国雇用統計についてお話しします!
雇用統計とは今労働市場はどうなっているか?というものを示す指標です。
失業している人はどのくらいか?就業している人はどのくらいか?前月や去年の同月と比べてどのくらいか?など比べながら雇用の情勢を知ることができます。
10数項目の指標が発表されますが、特に注目される*非農業部門雇用者数と失業率、そして最近非常に注目される平均時給などを例にお話しします。
*非農業部門雇用者数とは農業部門を除く産業部門で民間企業や政府機関に雇用されている人の数です
良いニュース
雇用統計で言う良いニュースとは…
- 非農業部門雇用者数が増えている
- 失業率が下がっている
- 平均賃金が上がってる
などのことが挙げられます。
FRBも『雇用の最大化』を使命としているので、労働者の数が増えることは喜ばしいことです。
そして、労働市場が活発であると言うことは景気が良い状況であると言うことを示しています。
このように雇用統計の結果が良かったことが良いニュースということはイメージしやすいと思います。
悪いニュース
雇用統計で言う悪いニュースとは…
- 非農業部門雇用者数が減っている
- 失業率が上がっている
- 平均賃金が下がっている
などの内容になります。
これはシンプルに上で説明したものの逆ですね。
FRBの使命に逆行していますし、労働者の数が減っている状況があまり良い状態ではないということはイメージしやすいと思います。
ですが、この良いニュースと悪いニュースが真逆になるという状況があります。
良いニュースが悪いニュースになる時
(株価にとって)良いニュースが悪いニュースになるとき、
逆に悪いニュースは良いニュースになります。
なぜこのようなことが起きるのか?
それはFRBが行う金融政策に対しての期待や恐れからきています。
最近の利上げなどと絡めて例を挙げてみます。
例えば、雇用統計が良い結果だとします。
良い結果だとFRBは景気はまだ力があるという判断をします。
すると、進められている利上げなどの金融引き締めの効果がまだ足りていないという判断をFRBがすることを市場参加者は恐れます。
その結果、その恐れから株価は下がることになります。
逆に、雇用統計が悪い結果だとします。
悪い結果だとFRBは金融引き締めがうまくいっていると判断します。
すると、進められている利上げなどの金融引き締めを少し緩めるという判断をFRBがするかもしれないと市場参加者は期待をします。
その結果、その期待から株価は上がることになります。
このような状況で悪いニュースが良いニュース(Bad news is good news.)になります。
景気の状態や、FRBの姿勢によって発表される経済指標などの意味が大きく変わってきます。
純粋に良い結果だと株価が上昇するというわけではないので、ニュースの見方には注意が必要です。
まとめ
・株価にとっては良いニュースが悪いニュースになることがある
・FRBの使命は『雇用の最大化』と『物価の安定』
・良いニュースか悪いニュースかでFRBの対応が変わる
・ニュースの結果、FRBがどう動くかに市場参加者は期待、恐怖をしている
・株価はその期待や恐怖から動く
・景気やFRBの動きによってニュースの結果市場参加者がどう動くかを注意深く探る必要がある
今回は悪いニュースが良いニュースになる状況についてお話ししました。
かなりややこしいですが、常に状況は変わってきます。
そして、それに伴って市場参加者の意見は常に変化します。
なので、金融リテラシーを少しでも高めて正しい情報を正しく認識して判断を下すようにしていきたいですね。
それでは、これからもコツコツ共に資産形成を頑張っていきましょう!
ではまた!