この記事では12月2日に発表された米国の雇用統計の結果と今後の予測についてまとめました。
【11月】米国雇用統計の結果
雇用統計の結果
今回の雇用統計。
とりあえず結果から….
非農業部門雇用者数 | 予想:20万人増 結果:26.3万人増 |
---|---|
失業率 | 予想:3.7% 結果:3.7% |
平均時給(前月比) | 予想:+0.3% 結果:+0.6% |
平均時給(前年比) | 予想:+4.6% 結果:+5.1% |
11月の雇用は予想よりも強い結果でした。
これは株価にとってはあまり良くない結果でした。
前回の結果はこちらから→11月のFOMCと雇用統計と今後の予想
前回と比べると基本的には横ばいですが、平均時給の伸びが目立ちます。
給料が上がるということは消費も減らず、インフレが鈍化しづらくなるということになります。
賃金インフレ
賃金のみ上がって生産性が上がらない状況。
これは悪いインフレにつながります。
当然FRBはそうした状況を嫌います。
賃金インフレはクセになりやすく、抑え込むことが難しいです。
賃金が上がるのは当然良いことですが、さすがに上がりすぎですね。
インフレが鈍化していく中で、この賃金上昇もどう落ち着いていくかが今後の注目すべき点になりそうです。
インフレ率2%を目指しているので、賃金も2%の上昇になると良い塩梅です。
雇用統計を受けて金利の動き
政策金利については方向性は変わらないと思います。
パウエル議長は
- 早い金融引き締めを行ったが、効果が出るまで少し時間がかかる
- 利上げを行う速度よりも、ターミナルレート(金利の最終地点)がどのくらいまで到達するかの方が重要
- そう簡単には利下げはしない
というような趣旨のことを話しています。
つまり、利上げが早まることはよっぽどのことがない限り無いと言えます。
実際に市場参加者による12月の利上げ予想はこちらです。
0.50%の利上げを予想する市場参加者が約8割
0.75%の利上げを予想する市場参加者が約2割
今までとほぼ変わりなく推移しています。
この12月の利上げに関してはあまり考える必要はなさそうです。
ちなみに来年2月の利上げはまだ0.25%になるか0.50%になるかあまり定まっていない様子です。
今回、雇用統計発表の前にこのようなハト派の発言があったことで、株価はかなり持ち堪えたようです。
為替の動き
雇用統計の結果が出た時、一時135円までドルが上がりました。
今回の雇用統計の結果は金利にもおそらくあまり影響しないと判断され、その後134円にドルが下がり落ち着きました。
為替も大きく反応せず持ち堪えたようです。
株価の動き
これは雇用統計発表の日の株価の動きです。
最初は一気に下がったところからスタートしましたが、最終的には盛り返しました。
- 今回は直前にパウエル議長のハト派のコメントがあったこと
- 今までのインフレ鈍化の兆候
- 13日にCPIの発表を控えている
こうしたことから雇用統計の数字だけではそこまで市場参加者は焦らず、株価の動きは落ち着いていたと言えます。
様子見状態ですね。
今後の予想
今後の予想としては現状では13日のCPIの発表、FOMCまではしばらく大きな動きはないと思います。
そして、13日のCPIが鈍化していれば、今まで様子を見ていた分再び株価は大きく上がると思います。
逆にCPIが悪化すると株価は大きく下がりそうです。
金利に関してはどちらにせよ今回は0.50%の引き上げで落ち着くと思います。
そして、そのCPIですが、個人的にはしっかりと鈍化した結果になると思います。
なので、今後は株価は上がっていくと私は考えています。
まとめ
・11月の雇用統計は予想よりも強い結果
・特に時給の伸びが大きかった
・賃金インフレは悪性インフレを引き起こす可能性がある
・12月の政策金利はおそらく0.50%の引き上げのままだと考えられる
・今回の雇用統計では株価は大きく動かず
・為替もあまり大きく動かず
・今後、株価は上昇していくトレンドを維持する(個人的予想)
今回は雇用統計についてお話ししました。
多くの解雇、レイオフのニュースがあった中非常に強い雇用を維持した米国でした。
しかし、まだインフレ鈍化の兆候は他のところから見えているので、株価もあまり動きませんでした。
市場参加者も迷い、様子を見ているというところです。
今後のCPIなどの指標にも注目しつつ、買い場を逃さないように積立投資はやめずに続けていきたいところです。
ではまた!