この記事では
- 債券の価格が動く理由
- 債券がこれから上がると考えられる理由
- 今回債券に投資をする時の注意点
などについてお話ししていきたいと思います。
2023年米国の債券価格はなぜ上がるのか?
債券とは?
まず債券とはお金を貸りるとき、『○○円を○%の利回りで◯年借りますね。』
という証書のような物です。
そして、この証書は市場で売ったり買ったりできます。
債券の価格が変動する理由
債券には二つの価格があります。額面金額と債券価格です。
簡単にいうと
- 額面金額は新品の債券
- 債券価格は中古の債券
です。
債券価格は中古が故に価格が変動します。
良い物ならプレミアがつくように価格は上昇し、悪いものは劣化し価格は下がります。
また、新品の時の利回りを元に中古になると価格が変わるので利回りも変わります。
例
10年物の債券が100円で利回りが3%で発行されました。
この100円は額面価格です。
2年後、この債券を110円で買いたい!という人が現れました。
110円は債券価格です。
しかし、100円で3%の利回りだった債券は
110円になると約2.7%になってしまいます。
- 配当は100円の時に3円(3%)
- 110円の時も3円(約2.7%)
このように債券も需要と供給によって価格が決まります。
つまり、これから新たに発行される債券の金利が低ければ、すでに市場に出ている高金利の債券は人気になり価格を上昇させます。
逆にこれから新たに発行される債権の金利が高ければ、市場に出ている低金利の債券よりも新たに発行される債券を購入するので市場の債券価格は下落します。
ここで重要なのは価格が変動するのは中古の債券だけということです。
本もゲームも家電も新品は定価ですよね。
まとめると
- 金利が上がると債券価格は下落
- 金利が下がると債券価格は上昇
債権の価格が上昇する理由
債券価格にも先見性がある
まず、市場に出ている債券は常に取引されています。
そして、それは株価と同じで今後〇〇が起こるから債券は売ろう。とか
〇〇が起きるから債券を今のうちに買っておこう。とか
こういうことが起きます。
つまり、将来に起きることを予想して債券は取引されます。
そして、債券にとって大きなイベントが去年ありました。
それがFRBによる政策金利の引き上げです。
金利が上がれば債券価格は下がる。
こちらはiシェアーズ 米国債20年超ETF(TLT)の1年間チャートです。
去年の1月頭頃からの価格変動ですね。
そして実際に米国で利上げが始まったのは2022年3月です。
しかし、実際に利上げが始まる前からじわじわと下げ始めているのがわかります。
実は2021年12月にピークをつけてそこから下がっています。
つまり、実際に利下げが始まる前から、利下げが始まると予想されていたので価格が下がり始めていたということですね。
これから債券価格は上昇する
これから債券価格は上昇していくと考えられます。
その理由は金利の上昇が止まるから。
金利が下がると債券価格は上昇する
これから米国はインフレが収まり、FRBは金利の引き上げを止めることが考えられます。
そのため、債券価格がこれ以上安くなるということは考えにくいです。
もちろん金利がすぐに下げられるわけではありません。
なので、急激に債券価格が上がるとも限りませんが、市場参加者は利下げを織り込もうとし始めています。
実際に利下げが行われずとも、利下げが織り込まれると債券価格は上がります。
つまり、これから金利が上がる可能性が低い以上、債券はローリスクハイリターンを狙うことができるものになり得ます。
今、米国債券に投資するにあたっての注意点
今回、債券に投資をする理由は金利によるものでした。
しかし、注意点があります。それは
米国の政策金利が下げられると債券は上がる
同時に政策金利が下げられるとドル安も進む
つまり相対的に円高ドル安状態になります。
債券価格が上がってもドルが安いと円に変えた時、価値は下がってしまいます。
このような状況だとあまり得できないです。
2022年の円安株安状態に近いですね。
では、どうするか?
もちろんドル安を覚悟で上のチャートで紹介したTLTなどのETFを利用するのも悪くありません。
しかし、個人的にはここで『為替ヘッジあり』のETFを利用することも一つの手だと考えています。
例えば
(2621)iシェアーズ 米国債20年超ETF(為替ヘッジあり)
このような商品があります。
経費率も0.154%程度と低く、2022年1/6時点では価格も下がっています。
念の為、これはあくまでも例です。
投資は自己責任でお願いします。
まとめ
・債券の価格には額面金額と債券価格のに種類がある
・債券価格が市場で取引される価格
・金利が上がると債券価格は下がる
・金利下がると債券価格は上がる
・2022年は金利が上がるフェーズだった
・2023年は金利が維持か下がるフェーズと考えられる
・金利が上がる可能性は低いので債券価格は底をついている可能性が高い
・金利が動くと為替も動くので為替ヘッジありの商品もあり
今回はいつもとは違って債券についてお話をしました。
債券はこれからさらにどんどん話題になるんじゃないかなと思っています。
仕込むなら今!せめて利上げ終わる前に買ってしまいたいところです!
私もあまりない資金を少し債券に入れようかなと思っています。
価格の安い今なら利回りも悪くないですし…w
というわけで今回は株ではありませんでした!
普段の長期投資よりも中期的な投資に近いかな?という内容でした。
これも今と未来の生活を少しでも良くすると信じています!
ではまた!